クラブ史上最狂のダービー
著者:アルフレッド🏴 翻訳:ルナ🇯🇵
やあ僕だよ!
今日はニューカッスル公演第8幕
時代は遂に2000年代へ突入!そしてマイク・アシュリー時代の到来!
アシュリー時代
名前が時代名として叫ばれるほどの存在感を持った実業家のアシュリー氏。
そんな彼がニューカッスルユナイテッドにどのような影響を与えたのか。
早速見ていこうか。
ロブソンとシアラーが作り上げた2000年代前半の素晴らしい時期が過ぎ、06-07シーズンが最終盤を迎えた頃からアシュリー氏が持つセント・ジェームス・ホールディングス・リミテッドがニューカッスル・ユナイテッドを買収するのではないかと報道されるようになった。
その報道は現実のものとなり2007年5月にはクラブの過半数の株式を取得し、その翌月には、当時のオーナーであるシェパード氏が持つ株式も買い取った。
彼はこれに加えて、残った株式をすべて買い取るために約1億3,400万ポンドを投入し、アシュリーによるクラブの完全買収が実現した。
救世主は何度でも
アシュリーをオーナーに迎えた新生ニューカッスルユナイテッドの初のシーズン
07-08シーズンの幕が開いた。
この当時ニューカッスルの監督を務めていたビッグ・サムことサム・アラダイスは、チームをまとめることが出来ず、シーズン序盤での成績不振によってファンや選手からの批判を浴びた。
間もなくして彼はアシュリーによってシーズンの半ばで解雇されてしまった。
突然の単独オーナー爆誕、そしてシーズン序盤の成績不振によってニューカッスルに関わる人々はとても不安な気持ちになっていた。
判断が早いのはいいが、めちゃくちゃにするのはやめてとか
お金はあるんだろうがフットボールオーナーとしての経験がないから不安とか
そういう声が結構上がった。
不安の声がそこら中から聞こえてくるこのような状況下で
ニューカッスルユナイテッドの新監督に就任した男の名前は
ケヴィン・キーガン
え?またキーガン!?
そうだよ!
バロンドールを獲得し、2部に沈んだニューカッスルを一部昇格に導き、ヘリコプターに乗ってクラブを去ったあのキーガンだよ!
三部降格の危機に瀕したクラブを救うために監督に就任し、残留どころかプレミアリーグに昇格させてクラブ史上最高順位である2位までクラブを押し上げたあのキーガンなんだ!
彼のクラブ復帰によってサポーターの不満を相殺され、即座にクラブのチケット売上に好影響を与えた。
彼らはこのシーズン12位でフィニッシュすることになるんだけど、それでもサポーターはキーガンならやってくれる!という期待の気持ちを持ってシーズンを終えることが出来た。
しかし、実はその裏では、キーガンはクラブからの財政的支援に不満を抱き、アシュリーやフットボール・ディレクターのデニス・ワイズとの間に亀裂を発生させていた。
そしてこの亀裂はどんどん大きくなっていくことになる。
欠けゆく勝利のためのピース
シーズンが終了し、夏のマーケットが開くと、クラブの飛躍には欠かせないピースであったジェームズ・ミルナーを放出。
そしてそのミルナーの後任を獲得せずに、キーガンがチームに求めていない選手達を獲得し、そのまま夏のマーケットが閉じてしまった。
マーケットが閉じた直後の2008年9月1日にはキーガンが監督を辞めるという報道がなされた。
この報道に対して、一時はクラブ側も否定する声明を行ったんだけど、結果的にキーガンは当月で退任することになった。
この時期アシュリーは自身と家族に対する評判、それから身の安全性に懸念を抱き一度はクラブの売却を検討していたそうだ。
まあ結果的には適切な買い手が見つからなかったため市場から撤退したんだけどね。
クラブを何度も救ったレジェンドであるケヴィン・キーガンとの衝突。
さらにはクラブの中心選手を放出しても後任選手は獲得しない。
終いにはクラブの買収を試みる。
サポーターに嫌われるだけの理由が明確に存在しているね。
サポーターの怒りの声はセント・ジェームス・パーク周辺での激しい抗議運動によってクラブに届けられた。
この後、クラブはキーガンの後任探しに苦労し、最終的にはジョー・キニアーを暫定監督に任命した。
だけど、彼は命が脅かされるレベルの深刻な体調不良に陥り、シーズン途中で辞任してしまうんだ。
これは誰も責められないね。
もう一人のレジェンド
キニアーが抜けた後は、クリス・ヒュートンが暫定監督となり指揮を執るも結果が出ない。
スタジアム周辺は悪いムードが漂い続けた。
なんとかしないと。
そんな危機的状況に陥った時、いつも僕たちの前に現れてくれるのは?
そう!
ケヴィン・キーガン!
違う。
今回は彼じゃない。
今回、ニューカッスルを救おうと立ち上がったのは、もう一人のレジェンド
アラン・シアラー!!!
ジャッキー・ミルバーンが持つクラブ最多得点記録を塗り替えたあのアラン・シアラーだよ!
彼が監督としてクラブに帰ってきたんだ!
でも彼には監督経験がなかった。
8試合を戦って1勝5敗2分け
結果は18位。
降格だった。
でも誰がシアラーを責められる?
何の準備もなく、監督として初めてクラブを指揮して誰が結果を出せる?
キーガン?
彼は異常だよ。
他の追随を許さない外れ値中の外れ値だ。
誰も彼とは比べられない。
シアラーでさえね。
意地とプライドにかけて
翌シーズン、降格したニューカッスルは再びクリス・ヒュートンを暫定監督とした。
彼らは2部で勝ち星を30も積み上げ、勝ち点102を獲得!
本来は1部に居続けなければならないクラブとしての意地を見せて、1年でプレミアリーグに復帰した!
流石に自力が違い過ぎるね。
しかし、この意地とプライドをかけて戦ったシーズンの裏ではネガティブなことがたくさん起こっていた。
というところで今回の第8幕は終了だよ。
おわりに
今までは感動的な物語が多かったのにマイク・アシュリー氏が登場したとたん流れが変わったね。
キーガンやシアラーといったクラブで最も愛される二人が心を落ち着かせる時間を提供してくれていなかったら普通に発狂ものだよ。
選手でも監督でもない人の名前が時代名として叫ばれるほど、様々な意味でニューカッスルユナイテッドに影響を与えた実業家のマイク・アシュリー氏
彼に対する世間の認識というものに対して一言だけ言っておきたい。
彼は、フットボールクラブのオーナーとしては大変評判が悪く、批判の声が圧倒的に多いため、「悪い人」っていうイメージがついているかもしれないけど、実業家としては何度も素晴らしい成功を収めており、クラブオーナー以外の事柄では彼を称賛する声もたくさんあるんだよ。
フットボールクラブのオーナーに向いていなかった。
ただそれだけなんだ。
だから必要以上に彼を悪く言うのはやめてあげてほしい。
彼に振り回されたニューカッスルサポーターは怒って当然だと思うけどね。
次回から時代は2010年代に入るよ。
お楽しみに!
今日も最後まで見てくれてほんまぐらしあす!
また次の公演で、ちゃお!
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